神と崇められし人類の皇帝。
〈ホルスの大逆〉により瀕死の重傷を負い、〈黄金の玉座〉の神秘の機構によって生かされているが、その体は朽ち果て意思の疎通はできない。しかし、その至高なる魂は〈歪み〉の中を闊歩し、邪悪なるディーモンと戦い続けているという。各総主長は〈皇帝〉の遺伝種子を継ぐ息子であり、〈大逆〉を犯したホルスもまた彼の息子であった。
単一の組織ではなく「団」と呼ばれる無数の集団に分かれており、〈帝国〉存続の任務を遂行する。
妖術師狩りを行う「粛清の団」、悪魔狩りを行う「鉄槌の団」、異星種族殲滅に特化した「純血の団」などがあり、あらゆる軍事力を行使することを許されている。数少ない彼らは例外なく策士であり一切の慈悲を持たない。
数十の重大事件により物質界の瓦解が促され、銀河に出現した大きな亀裂。
この出現と共に、荒れ狂う異空間エネルギーの大波と超自然の暗黒が放出され、無数の惑星や艦隊・軍勢が呑み込まれた。亀裂は依然としてうねり、拡大を広げ、種族全体を呑み込まんとしている。
「スペースマリーン」を代表とする〈皇帝〉の戦士。
総主長の遺伝種子を移植され、過酷な戦闘訓練を受け、〈戦いの経典〉に準ずる超人たち。多種多様な兵器を駆使し、皇帝陛下の名の下に力を振るい、〈大逆者〉や〈異星種族〉達からの侵攻に抗う。
スペースマリーンたちは、19種類の超人器官に接合された遺伝種子を外科手術的に移植され、超人的な力を得る。
だが、プライマリス・スペースマリーンは、首席大賢人ベリサリウス・カウルの手によって作りだされた、3種類の移植器官(プライマリス器官)を追加された新世代の戦士である。
人類の中に出現し得る変異者の中で最も危険な存在と言われ、精神を通じて〈歪み〉に触れ、そのエネルギーを使い現実世界を変貌させることができる。炎を召喚したり未来を覗き見たり、特に危険な者は他者の精神に影響を与え操ることもできるという。しかし、〈帝国〉にとっては有益な能力であり、幼いうちに「黒き船」に見出され苦痛に満ちた儀式に晒された者たちは、生きる兵器またはエージェントとして活躍する。だが、発見されず力を暴走させた魂は灯火の如く輝き、〈歪み〉の中からディーモンによって補足されてしまう。誘惑を囁かれたり幻影を見せられたりした異能者 が油断すれば、ディーモンに体を憑依され肉体と精神を押し破られる。押し破られたときに出来たその裂け目から侵略軍が出現することもあるという。
物質界の表皮の下に潜む、純粋なエネルギーと限りなき可能性に満ちた次元。異空間・非物質世界・魂魄の海とも。
この潮流に身を投げ出すことにより航宙船は遥か彼方へ瞬く間に到達することができ、このエネルギーを集めることにより異能者 たちは精神感応通信を行う。〈帝国〉にとってなくてはならないものであるが、同時に危険を秘めた空間でもある。そこは数限りなき邪悪なディーモンたちの塒となっており、サイカー達の周りを鮫のように泳ぎ回り誘惑を囁き、弱き者らの魂を引き込まんと常に機会をうかがっている。
堕落した人類の英雄たちであり、〈帝国〉の災いであり、渾沌の神から力を得るために魂を売った者たち。〈ホルスの大逆〉の際に〈帝国〉を裏切ったケイオス・スペースマリーン。彼らは〈皇帝〉より与えられた能力や兵器を持ったまま、かつて守ると誓った領域を襲撃する。彼らが反旗を翻す理由は様々あり、〈帝国〉に裏切られたと主張する者もいれば、〈歪み〉の力にさらされ狂った者も存在する。
〈大征戦〉の真っ只中に〈皇帝〉に背を向けた大元帥ホルスに従った元スペースマリーン。
〈歪み〉の中で類似した思念と感情が集まり、意識のようなものが芽生え誕生した存在。
〈歪み〉の奥深くに生まれ、人間の悪夢と欲望を実体化させた怪物。
人間のなかでも最も輝く異能者 たちの魂は、彼らにとって最高の喜びをもたらす甘い汁である。一瞬でも気を許せば、その隙にディーモンが駆け込み魂を食い尽くすだろう。渾沌の神の眷属は、それぞれ身体的特徴・歪みの能力・本質的な性質を具現化している。
かつて広大な青函国家を築き、銀河全域を支配した種族。恐るべき科学技術を有していたが〈失墜〉と呼ばれる一大異変によって、ことごとく灰燼に帰した。この大惨事が〈渾沌神:スラーネッシュ〉の顕現を招き、いくつかの異なる派閥に分裂させ、その大半を離散せしめた。
人類の理解をはるかに凌駕し、アエルダリ達が使用する超古代の領域。
現実空間と〈歪み〉の間に存在する超空間的な経路の広大なネットワークで、危険を負う〈歪み〉の移動とは異なり、この特殊な領域では星々の間を素早く移動できる。
アエルダリの魂は人間よりもはるかに煌々と輝くので〈歪み〉の中を移動することは賢明ではない。そのため、今はもう姿を消して久しい創造者によって張り巡らされた精巧な経路の規模は、大小様々である。しかし、何百万年も負担を強いられた〈網辻〉の迂回路や抜け道は、〈禍つ神々〉の信奉者や現実空間から侵入した奇怪な存在によって捻じ曲げられ、開放され、汚染されてしまった。
「ノクティリス」の別名でも知られる、黒瑪瑙に似た特殊な外観の鉱物。
長年に渡り研究者たちを困惑させてきた物質であるが、首席技術賢人ベルサリウス・カウルにより〈歪み〉のエネルギーと相対的な物質であると仮定された。〈大亀裂〉に永遠の封印を施せる可能性が出てきたことにより、人類は直ちにそれを回収し、確保する使命が課せられた。この貴重な素材は六千万年以上過去の時代、ネクロンの前身であるネクロンティールが永き眠りにつく前に〈渾沌〉を抑制する目的で建設された防御施設が起源となる。経年劣化と戦争によって多くの防衛施設が破壊されてしまったが、ネクロンのクリプティックたちはこの大いなる叡智の結晶を再び造り出そうとしている。
オルクたち特有の概念。聖戦、遠征、移住の要素を兼ね備えた「何か」としか説明の出来ないもの。実態は、星系全体を埋め尽くすほどのオルクたちの大進軍。緑の大津波。
タウ・エンパイアが掲げる理想。タウ=ヴァと呼ばれる理念。
その詳細は不明。しかしタウにとっては自明の理念らしく、タウ・エンパイアのすべての構成員が〈大善大同〉という揺るぎない信仰によって支えられている。タウの社会も五つのカーストによって強固に構成されていて、穏和な外交官である〈水のカースト〉、先進的な科学者である〈土のカースト〉、大胆不敵なパイロットである〈風のカースト〉、熟練の兵士である〈火のカースト〉、そしてエセリアルという謎めいた指導者の集団〈霊のカースト〉。タウ・エンパイアは〈大善大同〉という強いイデオロギーと〈五つのカースト〉による高いテクノロジーの二本の柱によって成り立っている。
ティラニッドが侵攻する際に搭乗している生体艦および微生物などの群れ。
巣窟艦隊は、宇宙空間を貫いて容赦なく前進する。その過程で進路上に存在するありとあらゆる有機物を消費して、更に多くのティラニッドの生物個体と生体艦を生み出す原材料にするのだ。ティラニッドたちは領土の獲得や、恐怖などの理由で侵攻をしたりはしない。彼らは突き動かすのは、耐えがたい「飢え」だ。集合意識体と呼ばれる巨大な知生体が感じる「飢え」がティラニッド全体を終わりなき侵攻へと駆り立てている。